年の暮れ (2)

12月29日(金)

予定されていた明日の報恩講参りが急遽取りやめになったため、今日で今年最後となる御法事を本堂にて。

今年もコロナウィルスにもインフルエンザにも感染せず、風邪一つひかずに無事法務を終えることが出来た。
が、今年の後半は腰、肩、そして今は膝にサポーター。。。

ともかくも あなたまかせの 年の暮れ

いろいろあったけれど、おかげさまで。

 

Amazonで取り寄せたカッティングシートが本日届いた。

お寺での慶讃法要の際に使ったバインダーファイル。
Amazonで見つけた「五瓜ごか剣片喰けんかたばみ」のカッティングシートを貼ってみたら、なかなか良い感じだった。

そのあと、呉東組の慶讃法要で、会所の光明寺様の花台に寺紋が入っているのを見て、

ふと思いついて、こちらにも貼ることに。 

廻し焼香台。

「下り藤」のカッティングシートは扱ってないようだけれど、専徳寺の寺紋「五瓜ごか剣片喰けんかたばみ」は何故か豊富に。

なかなかいい感じではないかな。

 

今日は午後から正月の仏華等をいろいろと坊守と一緒に買いそろえ。

最後のお店でレジで精算をしていると、「領収書は専徳寺さんでよろしかったですね?」と。

昨日散髪し、マスクを着け、めがねをかけているのに、まさかご存知とは。。。

「広南中学校のミュージカル、よかったですねぇ。ホームページで見ました。」

と言われ、えっ??ホームページで公開中?と。

年末年始、紅白も、おせちもいいけど、広南中学校の采谷物語。
広南中学校Web、トップページの3年生、文化活動発表会創作劇で公開中。

 

津久茂地区 通り報恩講

12月13日(水)

今日は津久茂地区の通り報恩講。

津久茂地区の反対(西)側が米軍広弾薬庫。

内閣府告示第百二十六号
 重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律(令和三年法律第八十四号)第五条第一項及び第十二条第一項の規定に基づき、注視区域及び特別注視区域を次のとおり指定し、令和六年一月十五日から施行する。
  令和五年十二月十一日  内閣総理大臣  岸田文雄

百二十八  広弾薬庫  呉市

先日、広弾薬庫から半径1キロ以内ということで、津久茂地区だけでなく、長浜のほぼ全区域も注視区域に指定され、来月より施行されるみたい。

《参考》内閣府Web(https://www.cao.go.jp/tochi-chosa/kuiki/chushikuiki/hiroshimaken/kureshi/doc/kuikizu4-1.pdf

これで何か変わるのか、それとも何も変わらないのか。。。

 

今日のお参り先で、「ちょっとお尋ねするんですけど、真ん中が阿弥陀さまで、右側が親鸞さま?左側は?」とお尋ねになられたので、口頭で答えたら、「すぐに忘れるから、ちょっと待ってください」とメモを持って来られた。

そこで、中央に「阿弥陀如来」、そしてその右側に「親鸞聖人」、その左側に「本願寺第八代 蓮如上人」と記す。

すると、お仏壇の前に折り紙で折った鬼の面があったのがお参り中から気にはなっていたのだが、

「孫が先日やって来て、おばあちゃん、般若の面を折ってあげると、鬼の面を作ってくれた」のだと。

でも、「お仏壇の前に「般若の面」を置いてもいいもんでしょうか?」と尋ねられたので、「この蓮如上人にまつわる話で、鬼の面の話もありますから、大丈夫でしょう」と、写真を撮らせていただく。

《参考》肉付きの面 朝日新聞デジタル(http://www.asahi.com/area/fukui/articles/MTW20200713190450001.html

何ごともお念仏のご縁。

土香炉

12月6日(水)

今日は午前中、明神地区の通り報恩講。

お葬式が2件も出来たので、時間を気にしながら、合間を縫って。

 

そして、午後からは業者との打ち合わせ。

広南学園のクリーン活動もあったけれど、先日より五十肩がひどく、戦力にはなれないので、そちらは行かず。

ただ、先日から気になっていたことを。

御内陣がピカピカになると、そうでないところがどうしても気になってくる。

その一つが土香炉どごうろ

縁が煤けているのが気になって、色々とネットで調べてみたら、灰のならし方を延々と流しているYouTubeもあったり。

それらを参考に、道具を用意し、まずは灰をふるいにかける。

灰をすべてふるいにかけて、土香炉を洗う。

ひっくり返すと、何と! 土香炉の裏には「親鸞聖人七百回大遠忌記念」と「本願寺」の印。

これからも大切に。

綺麗になるとやっぱり気持ちがいい。
そこで、他の土香炉も次々と。

そして、沙羅さわり

本願寺派では「沙羅」、大谷派では「砂張」と表記して、いずれも「さわり」と発音するのだそう。

以前、おみがきの時にどなたかが磨いてくださったのだけど、中が白く。。。

修復前は御内陣も薄暗く、それほど気にもならなかったけど、修復後あまりにも目立ちすぎるので、

こちらも綺麗に。

2時間ほどかかって掃除終了。

 

土香炉は、本願寺派では青磁製で「玉香炉たまこうろ」と呼ばれるものを依用し、大谷派では「透かし香炉」と呼ばれるものを依用するのだと。

元々あったものをそのまま依用しているので、これまで何も気にせずにいたけれど、そういう違いを知るのもなかなか面白いかも。

 

 

ペット 内陣修復

11月15日(水)

通り報恩講、今日で広本町・大新開など修了。
来週からいよいよ長浜。

今日、報恩講でお参りしたマンションのエレベーター。

「ペット」のボタン。

時々マンションにもお参りさせていただくのだけれど、新しいマンションのエレベーターによく見かける。

最初見た時、階を押そうと思って「ペット」とあった時は思わず二度見してしまった。。。

 

以前「ペット禁止」が当然のようだった。

でも、最近、「家族同然に可愛がっていたペットが亡くなったのだけど、可愛がっていた故人と一緒にお墓に納骨してもよいでしょうか?」と言う問い合わせを立て続けにいただいた。

こちらとしてお答えするのは、まず「一緒に納骨してはいけないと言う法律はありません」と。

「ただし、墓地の管理者にも確認を取ってみてください」とも。

何故なら、「ペット禁止」としているところもあったりするかも知れないので。

それからもう一つ。

家族や親戚に一緒に納骨することに異論がなければと言うことも。

「追善供養」を行わない浄土真宗では「ペット供養」と言うことはしないけれど、「ペットが亡くなったのでお参りしていただけますか?」と依頼があれば、お参りさせていただく。

 

今日は朝から本堂では内陣修復の最終行程。

修復で最後まで難しい作業の一つがこの金障子だそう。

既成のものをはめるのではなく、そこそこの柱に合わせなければならないので。

先日ここでかなり手こずり、完成が遅れることに。

 
 
 
 
 
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1㎜単位に手間暇を掛け、1日がかりでやってくださっている。

それを見れたことは大きなご縁。

明日が完成予定。

それを楽しみに。

熨斗目蜻蛉

9月9日(土)

今朝もアヤメの周りが掘り起こされて。。。

その他にも所々小さな穴が見つかるけれど、アヤメのところだけがグチャグチャ。

とりあえず、アヤメの根は無事なので、土を入れて元に戻す。

これで3度目。
ただ、相手が分からなければ対処しようもないので、久しぶりにトレイルカメラを夕方設置。

 

そして、玄関先に戻った時、小さなトンボが一匹枝に止まる姿が。

結構長いこと止まっていたので、写真に収め、何トンボか調べてみる。

ノシメトンボ (熨斗目蜻蛉)

アキアカネと同じアカネ属。
赤トンボなんだけれども、赤くならない赤トンボなんだそう。

また、赤トンボは、成熟したオスだけが赤くなるそうで、それで夏場は真っ赤な赤トンボを見ないわけだと納得。

 

「ノシメトンボ」は、漢字で「熨斗目蜻蛉」と書くそう。

「熨斗」は知っているけれど、「熨斗目」とは何?

「熨斗目」とは、江戸時代には武士が裃の下に着ていた小袖に用いられていたようで、肩や裾などに大きな横段模様がある着物を表しているそう。トンボの翅の先に色が入っていることから、熨斗目蜻蛉と呼ぶのだそう。

知らないことだらけだけど、そうやって知ってみると、いろいろと学ぶことも。

 

お寺の境内にいるだけで、いろんなことを学ぶご縁を。

 

菩提樹

8月25日(金)

昨日は午後から総代会。

御内陣修復、今後の予定について。

『念佛日和』と「おそなえワークショップ」のご案内も持って帰っていただいたので、近々みなさんのもとへ。

暑い中をありがとうございました。

 

そして今日、昨日届いた鉢を植え替え。

今月末までの期間限定ポイントを利用して、スリー・マハー菩提樹の苗木を入手。

《スリー・マハー菩提樹》とは、スリランカのアヌラーダプラにあるインド菩提樹の名称。
紀元前3世紀、アショーカ王の息子マヒンダ僧と娘サンガミッター尼がスリランカを訪れた際、お釈迦さまの教えと一緒に、ブッダガヤでお釈迦さまが悟りを開かれた菩提樹の枝をもたらし、デーヴァーナンピヤ・ティッサ王が当時の首都であったこのアヌラーダプラに植樹したと伝えられる聖木。

菩提樹と言えばすぐにブッダガヤの菩提樹を思い浮かべるけれど、ブッダガヤの菩提樹は5世紀頃の仏教弾圧により失われ、現在のものは近年になってアヌラーダプラのスリー・マハー菩提樹から育てられた菩提樹なのだとか。

そのアヌラーダプラのスリー・マハー菩提樹の種から育てられたのが、このたび届いたスリー・マハー菩提樹の苗木だそうで、2,000年以上の時を経て、お釈迦さまの菩提樹をお迎え。

 

3年前、ステイホーム中に菩提樹・無憂樹・沙羅双樹の三大聖樹の種を入手し、植えてみたけれど全滅。。。

ところが、菩提樹は苗を購入することができるようなので、このたび育ててみることに。

立派な葉っぱ。

暑い地方の樹だから、外に出しっぱなしで良いのかと思えば、そうもいかないよう。
高校球児も日焼け止めクリームを塗って日焼け対策をする時代。
と言うよりも、そうしなければならない日差し。。。
葉っぱも焼けないよう、夏は日陰で。

とりあえず、この冬を無事乗り越えて、元気に育ちますように。

世のなか安穏なれ 仏法ひろまれ

 

白いカエル

8月18日(金)

朝、境内に水撒きしていると、クロガネモチの木の根元、ツワブキの葉っぱの上に白い何かが。。。

白いカエル!

カメラを取りに戻り、とりあえず撮影。

岩国の白蛇と同じようなアルビノのカエルかと思ったけれど、

目が赤くなく、黒だったので、これはアルビノではなさそう。

しばらく見ていると、だんだんと色が迷彩柄に。

そして、目の前のクロガネモチの木に飛び移る。

すると、木に溶け込んで。

 

調べてみたら、ニホンアマガエルがまわりの白いものに一時的に同化して白くなったものらしい。

緑のツワブキの葉っぱの上では、あまりにも目立ったけれど、その直前まで境内の白砂の上を移動するのに白くなっていただけなのかな。

 

ネットで調べると、白いカエルは幸運をもたらすだとか、縁起が良いだとか、そんな言葉がいっぱい。

カエルが白くなったのは、たまたままわりが白かったから。

 

そこで「迷信」について調べてみたら、興味深い論文を。

『祖父母の語り聞かせの教育』――戦前期の安芸門徒家庭のばあい―― 古川和子
  (https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/24299/files/21274

近世以前の呉地方の庶民の言語生活は、お説教を「聞かせてもらう」生活が中心であったから、今日想像する以上に正確に聞き取る訓練ができていたし、わかりやすく印象的に話す力が育っていたように思う。・・・安芸門徒とは何なのか、これを問い続けたい問題であるが、家庭における宗教的なしつけとしては、「殺生をしない」「感謝の気持ちを持つ」「迷信の否定」の三つの柱があったと思う。

白いカエルにご縁をいただいた。

 

 

 

呉東組法中会 セミのいのち

7月2日(日)

今日は青空の広がるいい天気に。

ネジバナ、3本咲いている内の1本が捻れていない。
こんなふうに捻れないものもあるのだそう。

 

昨日の御法事での法話で、セミの話を。

先日、Instagramに投稿した穴掘り名人。

朝、ヒマラヤスギの下で穴を見つけ、覗き込んだらセミの幼虫のお尻が見えた。
セミの幼虫って、お尻から出てくるの? 夕方出てくるんじゃないの?
と思いながら見ていたら、穴の中で向きを変え、土を抱えて出てくる。
そして、穴のほとりに土を出して、また穴の中に入っていく。

そして何度も何度も繰り返し、休みもなく、穴をずっと掘り続け、昼に見に行っても掘り続け、夕方姿はないかなと思いながら行くと、今度は穴から外に出てひっくり返っていた。

ひっくり返ってもがいていたので、側の木の根元にそっと置いてあげたのだけれど、翌日羽化することもなく。。。

 

蟪蛄けいこ春秋しゅんじゅうらず、伊虫いちゅうあに朱陽しゅようせつらんや。(曇鸞大師『往生論註』)

セミ(蟪蛄)という虫は、暑い夏に地上に出て来て、その暑い夏に命を終えてゆく。
だから、春や秋、ましてや冬という季節を知らないでいる。
と言うことは、その虫は、今が朱陽の節(夏)であることを知ることができるでしょうか?

私たちは春夏秋冬を知っているから、今を暑いと感じている。
また、数十年前の夏を知っているから、今の暑さを異常と感じている。
でも、このセミの幼虫にとっては、今を暑いと感じていないかも知れないし、そのあと羽化することも、死んでいくことも知らないかも知れないで、ただただ穴を掘っていたのかも。

羽化できずに可哀想。。。と思ってしまうのは、こちらがこのセミのそのあとの姿はこうなるであろうと予測し、勝手に思っていたから。

これだけの穴をずっと掘り続け、それで力尽きて命を終えていったとしても、そのセミは命を精一杯生ききったのかも知れない。

そんなことをふと思いながら。。。

 

今夜は川尻光明寺にて呉東組法中会。

コロナ以前の組内活動に少しずつ戻りつつ。

丸葉万年草

6月20日(火)

NHKの朝ドラ『らんまん』の今週のサブタイトルが「マルバマンネングサ」。

今朝の放送では、結婚を決めた万太郎と寿恵子・竹雄が、故郷の土佐佐川へと向かう途中、マルバマンネングサを。

6月に5弁の黄色い星のような小さな花が。。。と、放送で。

 

コロナ禍の4年前、薄墨桜の下にグランドカバーとして、スナゴケを育てようと試みたけれど、ネコに荒らされたり、なかなかうまくいかず、諦めてグランドカバーを調べていて、いろいろと探している時に、「セダム」と呼ばれる多肉植物があることを知った。

ただ、桜の下に植えるのはセダムではないかなぁと思い、ムラサキサギゴケにしてみた。

そして、たまたま鐘楼の脇に置きっぱなしになっていた鉢に、セダムがぎっしりと詰まっていたのを見つけ、ただ何となく奥の方に地植えしてみた。

それから3年、そのセダムに黄色い花が咲き、またそこから離れたシモツケやコデマリの下にも根付き、黄色い花が咲きだした。

昨日の放送で、サブタイトルに「マルバマンネングサ」の名前を知り、

この名を調べたてみたら、何とその黄色いセダムと思っていた花がマルバマンネングサと。。。

しかも、「Sedam Makioi Maxim.」(牧野植物図鑑)と、学名に牧野富太郎の名前が付いている。

これは、ロシアのマキシモヴィッチ博士に標本を送った中にこのマルバマンネングサがあり、それが新種と認められ、マキシモヴィッチ博士が「牧野のセダム」と名付けたためだそう。ちなみにそれは寿恵子と結婚した年だったとか。

朝ドラ『らんまん』がますます面白くなってきた。

 

今日の中国新聞朝刊に、明日発売の坂本龍一さんの最期の日記『ぼくはあと何回、満月を見られるだろう』の一節が紹介されていた。

かつては、人が生まれると周りの人は笑い、人が死ぬと周りの人は泣いたものだ。未来にはますます命と存在が軽んじられるだろう。命はますます操作の対象となろう。そんな世界を見ずに死ぬのは幸せなことだ。

と記されているのだそう。

命と存在

力むことなく、いろんな命に触れ合いながら、命と存在、伝えることができたらいいなと。

 

 

梅雨入り

5月29日(月)

まだ5月と言うのに、今年は早くも梅雨入り。

これから大雨の予報も。

今年は梅雨明けまでが長く感じそう。

 

今日御法事のお参り先で。

ご主人の満中陰の御法事で、法話の途中、親鸞聖人得度の時の

明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは

を「明日ありと」と、こちらが言葉に出した途端、前に座っておられた御夫人が一緒に「思う心の・・・」と続きを一緒に仰ってくださった。

 

そして、法事が終わると、「これを見てください」と奥から出してくださった。

亡くなられた御主人が趣味で作られたものだそう。

折角なので写真に撮らせてくださいとお願いすると、もう一つ見てくださいと。

黒白二鼠こくびゃくにその譬え

《参考》浄土真宗本願寺派総合研究所 「甘い蜜」

御法義を喜んでおられたのでしょう。
故人のお導き、そのまんまの御法事と。

 

聞くところによると、この材料の竹を切って、乾かして制作するまでに4年もかかるのだそう。