広南小学校 読み聞かせ (8)

10月1日(月)

今日から10月。

今朝、久しぶりに広南小学校の読み聞かせに。

2学期は報恩講等の行事と重なるため、参加させていただくのは難しいかなと思いながらも、読み聞かせを通して、こちらもいろんなことを学ばせていただくので、日程とからだと相談しながら。

今日は5年生を担当。

今日読んだのは、『だいじょうぶだよ、ゾウさん』。

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ベルギーのローレンス・ブルギニヨン作、ヴァレリー・ダール絵。
日本語訳は、柳田邦男。

その柳田邦男氏が書かれた帯。

想像してみてください。だいじな愛するひとがあの世にいってしまうことを。だれでも、すぐには受けいれられないでしょう。しかし、月日がすぎていくなかで、ひとはいつしか、つらく悲しい別れでも、それを受けいれられるように心が成長するのです。幼いネズミくんは年老いたゾウさんに、「いっちゃいやだ」といいます。しかし、弱ってきたゾウさんを一生懸命ケアするうちに、心が成長して、ゾウさんがゾウの国に渡るつり橋を修理してあげます。そして、「こわがらないで」といって見送るのです。ゾウさんは「だいじょうぶ」といって、渡っていきました。

この物語は、著者が幼いころから死について話してくれた祖母との別れの体験をもとに書いたそうです。いまの時代、家族の病気や死について、子どもは会話のなかにいれてもらえないため、一生のなかでとてもだいじな死について学び、心を成長させる機会を失っています。この絵本は大人にも子どもにもだいじなことを語りかけていると思います。

それにすべてが現れる。

それと、別れたくないという自分中心の思いだったネズミくんが、ゾウさんにとって何が良いことなのかという思いやりのこころを持つことが出来たということに、いろいろと思うところがあるのではないだろうか。

5年生。みんな、静かに聞き入ってくれた。

 

帰りに5年生の教室前の廊下に、こんな素敵な絵を見つけた。

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廊下の壁に、目の前にひろがる瀬戸内海。

そして、その向こうに同じ光景。

思わず写真を撮らせていただいた。

 

帰って衣に着替え、白岳地区の報恩講。

2012年10月1日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (7)

7月9日(月)

今日は広南小学校の読み聞かせ。

今日の担当は4年生。

今日読んだ本は、ドン・フリーマンの『野はらの音楽家 マヌエロ』

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誰もこの本は読んだことがないそう。

 

音楽が大好きなひとりぼっちのカマキリ“マヌエロ”。

コオロギやキリギリスのように羽をこすっても音が出ない。
ガマでフルートを作っても音が出ない。
花でトランペットを作っても、イチジクの小枝と蜘蛛の糸を使ってハープを作っても。

「やっぱり、ぼくには、むりなんだ・・・・・・・」

と、あきらめかけたとき、

「どんな気もちか、よくわかるわ。わたしも、音楽をかなでることが、できないから」

と、頭の上にぶらさがっていた小さなクモ“デビー・ウェブスター”。

ふたりは力を合わせてチェロを作った。

クルミの殻と先がくるっと丸まっている棒、そしてアオツグミの羽で作った弓。

そしてデビー・ウェブスターの糸でできた弦。

 

マヌエロは、なんとも美しい音色を奏でた。

その音楽に合わせて、相手にしてくれなかった虫たちが集まってきて、素晴らしい大合奏が。

 

読み終わった後、カマキリの鳴き声、クモの鳴き声って聞いたことがある?と尋ねたら、みんな首を横に振った。

一人でできなかったことが、友だちと一緒になら出来ることもある。
そんな話を聞いてもらった。

大津市でいじめを苦にしての自殺の問題がいろいろと聞こえてくる。
「いのち」、「こころ」。
いろいろと考えて、4年生には「ともだち」をテーマに選んでみた。

 

1学期最後の読み聞かせ。
当初1学期のみ参加ということでお願いしていたが、2学期からも行ける時は参加してみようかなと。

2012年7月9日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (6)

7月2日(月)

雨も上がり、朝から広南小学校で読み聞かせ。

今日も先週に引き続き、3年生を担当。

今日、読んだ本は、『若冲のまいごの象』

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江戸時代の画家、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の話。

小学校3年生、まだ若冲の存在は知らなかったようだが、いろんな人の話を聞くのは刺激になるかな。

私が若冲の絵に出会ったのは、大学に通っている頃。
京都国立博物館の特別展で、宮内庁所蔵の「動植綵絵」を見たのが最初。

自分の好きなことを極め、その才能を発揮した人の姿に、何か感じるだろうか。

若冲の生きものに そそぐ やさしい まなざしをかんじます。
つねに あたらしい かきかたを もとめて えがきつづけた若冲ですが、この絵をえがいてまもなく 85歳で この世を さりました。

 

1学期も早いもので、読み聞かせはあと1回。
最後は4年生。

2012年7月2日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (5)

6月25日(月)

雨も上がり、朝から広南小学校の読み聞かせ。

読み聞かせも今日で5回目。
今日は長男のいる3年生のクラス。

以前、読み聞かせをする前に、「よく知ってる話と、全然知らない話。どっちを聞く方が良い?」と聞くと、「知らない話。どんな登場人物が出てくるか。次はどんな話になるのか、ワクワクするから。」と。

そんな話も聞いていたので、長男の目の届かないところに絵本を数冊ストックしている。

 

今日は、そのなかの一冊。

『ほんとうのことをいってもいいの?』

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みんな初めての本。
話が少し長いので、少々早口に。

 

少女リビーは、ママに嘘を言って怒られ、「これからは、ほんとうのことだけをいおう!」と誓った。

思ったままに本当のことを言ってると、友だちを傷つけ、みんな離れていった。

そのことをママに相談すると、

「ときどき、ほんとうのことを、いわなくてもいいときにいってしまうことがあるのよ。いいかたがわるかったり、いじわるでいってしまったりね。そうしたら人をきずつけてしまうの。でも、おもいやりをもってほんとうのことをいうのは、ただしいことなのよ。」

ことばは、相手に応じ、相手のこころに届くように伝えないと、時には傷つけてしまうことも。

お釈迦さまの説き方は、「対機説法」「応病与薬」。
相手に応じて、法を説かれた。

 

【人】(自分)と【人】(相手)との間をつなぐのは、思いやりのこころ。
そのこころがつながったとき、はじめて【人】は【人間】となれる。

思いやるこころを大切に。

2012年6月25日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (4)

6月18日(月)

朝から広南小学校、読み聞かせに。

今日の担当は6年生。

6年生ともなると、いろんなことを学ぶ時期。
そんなこともあり、今日は短い2冊の本を紹介。

1冊目は、新美南吉作『でんでんむしのかなしみ』

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自分の殻のなかに、かなしみがいっぱい詰まっていると思った“でんでんむし”。

ともだちにその悩みを相談すると、誰も彼もかなしみを持っていることを知っていく。

この話を読んだとき、仏教説話「キサーゴータミー」の話がふと浮かんだ。

 

そして、2冊目が、

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山本真理子作『ほたる』

先週、学校に持って行って見てもらったホタルの話。

これは実話に基づいた鹿児島県知覧から飛び立った特攻隊少年兵と食堂のおばさんとの話。

この本の存在を知って調べたが、どこも現在扱っておらず、探しているうちに行き着いたのが、大分県の「筑前町立大刀洗平和記念館」のホームページ。

ここの売店グッズ販売で、この本を扱っていることを知り、取り寄せる。

このホームページに行き着いて、大刀洗が戦前東洋一の陸軍飛行場と謳われた地だということも初めて知った。

そして、この本の絵を描いた佐伯和子さんは呉市出身だということも。

 

自分の体験したことのないことも、こうしていろんなかたちで聞かせていただく。

そんななかから、いろんなことを学ばしてもらう。
みんなにもそんなことを学んで欲しい。

2012年6月18日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (3)

6月11日(月)

今日は広南小学校の読み聞かせ。

読み聞かせをはじめて3回目。今回は5年生を担当。

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1、2年生には、友だち、相手を思うこころ、そんなテーマの本を選んでみたが、高学年には“いのち”の話。

いのちのいれもの

この本は、旭山動物園を日本一の動物園にした元名誉園長 小菅正夫氏の書かれた本で、亡くなったアムールトラの“いち”を通して、いのちのつながりは40億年も前から続いているいのちであること。

そして、そのいのちを最後まで投げ捨てず、かがやいて生き抜いてきたことが説かれている。

 

最後まで、静かに聞き入ってくれた。

 

それから、先週ホタルの話を2年生に読んだが、見たことのない児童が多かった。

息子も見たことがないので、一度見せてやりたいと取り寄せた。

呉でホタルが見られるのは、本庄水源地安浦の野呂川ダム周辺
ただ、なかなか見に行くことも難しく、また保護されていたりするので捕ることはできない。

それで、いろいろと調べてお取り寄せ。

読み聞かせに行くついで、校長先生に預け、ご無理をいって全教室をまわっていただく。

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ゲンジボタルは、幼虫の頃はカワニナという貝を食べるが、さなぎを経て成虫になると、水だけでその短い一生を終える。

光り輝いて生きるいのち。

そのいのちを通して何かを感じてくれたら。

2012年6月11日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (2)

6月4日(月)

今朝、広南小学校の読み聞かせ2回目。

今日は2年生を担当。

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今日読んだ本は、『とべないほたる』

教室に向かうと、グランドで遊んで汗だくになった児童たち。

席について、本を見せると、

「読んだことがある!」

と。

尋ねると、3分の1くらい知っていた。

 

この本の原作者は小学校の先生をされていた小沢昭巳氏。

「いじめをなくそう」と、学級新聞にホタルの童話を書いたのがきっかけだそう。

《参考》とべないホタル(Wikipedia)

ひとりぼっち じゃないって、
なんて すてきな ことだろう! 

読み終えて、「ホタルを見たことがある?」と尋ねると、テレビで見たことがあるくらいで、ほとんど実際には見たことがないと答える。

私の小さい頃、時々庭にも姿を見せることがあった。

昨日、タヌキを見ましたって話したら、「えー!」と驚きの声。

そして、「ぼくは山でキジを見ました!」と答えてくれる。

身近なところでふれるいのち。
いろんなことをそこから学んで欲しい。

 

来週は5年生。

2012年6月4日 | カテゴリー : 絵本, 長浜 | 投稿者 : sentoku

広南小学校 読み聞かせ (1)

5月28日(月)

今日から広南小学校にて“読み聞かせ”がはじまる。

毎週月曜日、朝8時10分から10分程度の読み聞かせ。
PTAが担当しているが、この時間はなかなか忙しい時間帯であるため、人手不足。
広南小学校となって、広く声をかけようと、この春募集があった。

日曜日の法務を終えての翌朝。
喉の心配もあるため、最初は躊躇したが、とりあえず1学期のあいだだけでもお手伝いを。ということで申し込んでみた。

 

そして、今日がその初日。

担当は何といきなり1年生。
これまでどんな風にしていたかも分からない状態で、とりあえずこの絵本を選んだ。

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『うごいちゃ だめ!』

初めての読み聞かせに、私の思いを少しタイトルに込めて。

 

8時10分、担任の先生は職員朝会のため、ひとりで教室に向かうと、

「誰ですか?」
「新しい先生?」

と次々と質問。

“読み聞かせ”初日で、1年生たちもよく分からない状況。

教室の教壇に立つと、

「トイレに行ってもいいですか?」
「お葬式に来てくれた人ですか?」

と次々とやってくる。

 

みんなが落ち着いて席についたところで、本を読み始める。

時間の都合もあるため、少しテンポを速く読んでいった。

読み始めると、みんな静かにじっと聞いてくれた。

一人だけこの本を持っているという子がいたが、ほとんどの子は初めて出会う本。

 

アヒルとガチョウがいろんな競争をするが、勝てないアヒルが「うごいたら負け」競争をしようと言い出す。 
何があっても動かず、じっと両者が堪えていると、そこにキツネが・・・。

鍋のなかに入れられそうになっても動かなかったガチョウのために、アヒルはキツネに飛びかかって追い払った。
そして、

あひる:「ね、がちょうさん、“うごいたら まけ”きょうそうは あなたの かちだと おもうわ。」

がちょう:「だけどね、あひるさん。ほんとに ほんとのチャンピオンは、きみじゃないかとおもうんだ。」

こんなやりとりがあったが、読み終わった後、

「どっちが本当のチャンピオンだと思う?」

と質問してみると、首をかしげて間を置いて、

「両方!」

と、答えが返ってきた。

 

少し読む速度が速かった?、ちょっと話の長い絵本だった?と思ったが、みんな絵本のように最後まで身動きひとつせず聞いていた。

『うごいちゃ だめ!』

初めての読み聞かせとしては良かったかな。

 

来週は2年生。

 

いのちのつながり ~カキじいさん~

2月13日(月)

一昨日注文した絵本が届いた。

『カキじいさんとしげぼう』

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それから、『山に木を植えました』の2冊。

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どちらも“フォレストヒーロー”畠山重篤氏。

『カキじいさんとしげぼう』は、自伝的物語
『山に木を植えました』は、物語よりも絵を中心に。

 

『山に木を植えました』の表紙に何か見覚えがあると思ったら、以前長男が学校の図書館で借りてきた本。実は一番のお気に入りなのだそう。

 

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2012年2月13日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

秋季彼岸会 1日目

9月23日(金)

今日はお彼岸の中日。

今夜から秋季彼岸会の法座。
天上の扇風機もとまり、涼しい風に、虫の声。

御講師は、蒲刈の浄泉寺 東元孝昭氏。

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親鸞聖人の90年の御生涯。
そのさわりの部分をお話しされた。

明後日の朝席まで。
連休中、お誘いあわせてお参りを。

おかげさん

先日、『おかげさま』という絵本を紹介した。
その『おかげさま』と一緒に注文していた『おかげさん』という本がやっと届いた。

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実はこの本。
どじょう内閣として有名になった野田総理の引用した相田みつを氏のことばが載っている。

このことばを聞いたとき、金子みすゞさんの有名な「私と小鳥とすずと」がふっと頭に浮かんだ。
ちょっと興味もあって注文したのだが、売り切れ。このたび増版されたものがやっと届く。

どじょうがさ
金魚のまねすることねんだよなあ

の詩は、この本では「みんなほんもの」というタイトルで紹介されている。

 お釈迦さまは悟りを開かれた時に、この世に存在しているものは、すべて真理そのもの(一切衆生悉有仏性)としてあるものだ、と説かれております。山も川も、草も木も、河原の石ころ一ツそれぞれにほんもの(諸法実相)としてあるのだ、といわれているのです。つまり、仏さまの眼から見ると、にせものなしということです。
 どじょうはどじょうとしてほんもの、金魚は金魚としてほんもの。どじょうが金魚のまねをした時、にせものになるんです。
 あなたがあなたであるかぎりほんもの、わたしがわたしであるかぎりほんもの。ほんものより、にせもののほうがカッコいい、と錯覚して、一生をダメにしてしまう人間が多いのではないか、と私は思います。

相田みつを氏は、曹洞宗の禅僧 故武井哲応に師事して仏法を学んだそうだが、この『おかげさん』のなか、「卑屈と傲慢」と、「みんなほんもの」の次に出てくる「にせもの」の二つに親鸞聖人が登場する。

ドジョウの泥臭さばかりが強調されているが、ドジョウはエサを食べるとき、掃除機が何でも吸い取るかのように砂利も一緒に吸い込んで、エラから上手に砂利だけ捨て去る。

除雪車のようにエラから砂利が吹き出てくるのを初めて見たとき、衝撃的だった。

何でも最初から選り好みしないで、まずはすべてを受け入れて、上手に良いところだけを取っていく。ドジョウから学んだことである。

 

2011年9月23日 | カテゴリー : 法座, 絵本 | 投稿者 : sentoku