広南小学校読み聞かせ(36)

12月15日(月)

今朝も冷え込んだ。

今年最後の読み聞かせ。

 

今日の担当は2年生。

読んだ本は、

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真珠まりこ作、『もったいないばあさん』と、

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『もったいないばあさんの てんごくとじごくのはなし』の2冊。

 

まず最初に、「この本(もったいないばあさん)、知ってますか?」と尋ねると、「知ってる!」と答える子がチラホラ。

「知らない人もいるだろ・・・」と、ぼそっとつぶやく子も。

 

そう。

知らない人もいるだろうから、『てんごくとじごくのはなし』をいきなり読んでも、分からないかな?と思って、10年くらい前に買った『もったいないばあさん』を引っぱり出してきた。

 

2冊読み終わって、「何か感想ありますか?」と尋ねると、予想以上に手があがる。

せっかくだから、ひとりひとり順番に感想を。

 

印象に残っている場面が、それぞれ違っていて面白い。

 

何だか、心地よく今年最後の読み聞かせ。 

2014年12月15日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(35)

12月8日(月)

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は5年生。

 

久しぶりの高学年で、今日読んだのは、

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『からすたろう』。

第二次世界大戦中、反戦活動による投獄。

そして、日本を去り、アメリカへ渡ったこの本の作者やしまたろうは、アメリカで日本人に向けて反戦ビラを作っていたそう。

 

そのやしまたろうの、何ともいえない画風の絵本。

 

学校ではみんなから無視され続けていた“ちび”。

6年生になって、担任のいそべ先生との出会いによって、この子の持っている才能が認められ、やがては“からすたろう”と呼ばれるように・・・。

 

しーんと静まりかえった教室で、この本を読む。

「よき先生」との出会い、「よきひと」との出会い。

 

本当に出会いって大切だなとしみじみ。

 

2014年12月8日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(34)

12月1日(月)

いよいよ師走。

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は3、4年生。初めて2学年合同。

 

4年生の教室に行き、「今日は3、4年生、合同で読み聞かせをしますから、3年生の教室に移ってください」と。

さすが4年生。さっさと椅子を持って、3年の教室に行き、後ろに並んで座る。

3年生も、上級生が一緒だからか、いつもよりピンと背筋を伸ばして。

 

今日の絵本は、

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『おおきなゾウとちいさなゾウ』  (たしろちさと作)

 

水の楽園、オカバンゴへと向かうゾウの群れ。

そのなかにお母さんと一緒にいた小さなゾウが、砂嵐では迷子になってしまった。

 

そこで知り合った一匹の大きなゾウ。

ぶっきらぼうな大きなゾウは、小さなゾウとオカバンゴへ向かうことに。

 

群れずに行動していた大きなゾウは、小さなゾウと知り合ったことで、自分に勇気があることを知り、ホンの少し仲よくもなれた。でも、・・・。

 

とってものどかな物語。

思いの外、静かに聞き入って。

 

感想は聞けなかったけど、どんなふうに感じたかな。

2014年12月1日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(33)

11月17日(月)

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は3年生。

今回の読み聞かせは、学校から「ともだち」がテーマとして出されていたので、クラスの雰囲気を思い浮かべて選んだ本は、

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『ゴリオとヒメちゃん』。

イギリスのアンソニー・ブラウンの絵本。

とっても絵がきれいでユーモラスなので、引き込まれるかなと。

 

手話のできるかしこいゴリラのゴリオ。

でも、友達がいなくて寂しいと、ある日世話係に、

「ぼくが・・・

ほしいのは・・・

ともだち」

と伝える。

世話係は、一匹の子ネコ、ヒメちゃんを連れて来る。

 

ゴリオとヒメちゃんがとっても仲良しになったのだが、ある日、ゴリオがイライラしてテレビを壊してしまう。

世話係が走ってきて、

「だれが テレビを こわしたんだ?」

とか、

「こんなことじゃ、すぐに ヒメちゃんを つれてださなきゃ ならないな」と。

 

そのあと、何とも意外な展開が・・・。

 

予想どおり、みんな静かにゴリラの素敵な絵に見入って。

思いやるこころを大切に。

 

2014年11月17日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(32)

11月10日(月)

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は6年生。

当初、2年生を担当することになっていたが、先週末に6年生へと急遽変更。

何にしようかと、手持ちの本から選んだのは、

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900年も昔、鳥羽僧正が描いたと伝えられる『鳥獣戯画』。

その『鳥獣戯画』甲巻に描かれた絵に、物語を添えたおはなし名画シリーズより。

 

読み終えて感想を聞くと、「最初、題名を聞いて難しい本かと思っていたら、面白かった」とか、いろんな感想を。

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ちょうど今、京都国立博物館にて『国宝 鳥獣戯画と高山寺展』開催中。

この絵巻から、自分なりのストーリーを作るのも面白そうかな。

 

2014年11月10日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(31)

10月20日(月)

今朝はどんより曇り空。

朝から広南小学校の読み聞かせ。

今日の担当は5年生。

今日読んだ本は、『「ハニービスケット」の作り方』。

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先日の報恩講法要で、聞かせていただいた本を、早速。

 

「ハニービスケットを作るには、何がいるの?」と、台所でおばあちゃんに尋ねるベン。

おばあちゃんが、孫のベンに必要な材料を次々と教えていく。

「ぼくのハニービスケットには、
 めうしが1頭と、
 ミツバチ1000びきと、
 メンドリが1羽・・・、

 それに、サトウキビのはたけと、
 こむぎのはたけと、
 木の皮も、すこしいるんだ」

「みどりの草ときれいな花たちのたすけもいるわよ」

とおばあちゃん。

「それからいい土と、あたたかいおひさまと、
 それに雨も」

 

食べものは、たくさんの命、たくさんのご縁がととのって存在している。

 

先日、5年生は自分たちの植えた稲を刈り取った。

そんな話を聞いていたので、ちょうどよい話かなと。

 

「いただきます」「ごちそうさまでした」

このことばの意味がすぅっとこころに。

 

2014年10月20日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(30)

10月6日(月)

心配された台風は、朝にはおさまって。

 

今年は月曜日が慌ただしくなったため、小学校の読み聞かせは休ませていただくことにしていたが、人手が足らないからと声をかけられ、何とか朝の30分、万障繰り合わせて復帰することに。

今日の担当は6年生。

 

読んだ本は、オーストラリアの『ぶたばあちゃん』。

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『ぶたばあちゃん』と題名を紹介すると、クスっと笑いが起こったが、この本のテーマはいつも一緒に過ごしていた“ぶたばあちゃん”と“まごむすめ”の迎えた最期の時間。

重いテーマの中に、ぶたばあちゃんとまごむすめのあたたかい物語。

 

こうした最期を誰もが望むのかも知れないけれど、なかなかこんな別れは・・・・。

 

でも、ぶたばあちゃんが最後の「ごちそう」と散歩に出かけ、まごむすめと一緒にいつも見ている光景を、「ごらん!」「ごらん!」と、

こころゆくまで、ながめ、耳をかたむけ、においをかぎ、すべてを味わうことができたのです。

 

いつ最期を迎えても良いように、普段から目の前にあること、些細なことでもきれいだな、ありがたいなと感じられると良いだろうな。

 

6年生にはどんなふうに映ったか分からないけど、まごむすめのようなやさしい心で。

 

 

 

2014年10月6日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(29)

4月14日(月)

雨も上がり、青空のひろがる朝。

ツバメが飛び交い、コジュケイの声が聞こえてくる。

 

今朝は今年度初めての広南小学校読み聞かせに。

担当は6年生。

 

今日読んだ本は、

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マックス・ルケードの『たいせつなきみ』

ウイミックスと呼ばれる木の小人たちは、毎日同じことばかりをしていた。
ほかの小人に、金の星のシールか、灰色のだめじるしシールをはること。
なめらかな木でできた、絵の具もきれいにぬられた、かわいい小人たちは、いつでも星がもらえた。
才能のある小人たちもそうだ。
でも、あんまりいろんなことができない小人や、絵の具がはげている小人たちには、みにくい灰色のだめじるしシールがはられてしまった。
パンチネロは、そんな小人のひとりだった。
彫刻家エリは、パンチネロに、彼がどんなに大切な存在か ―ほかのウイミックスたちが彼をどんなにけなそうとも― を悟らせようとする。 (まえがきより)

「ダメ」というレッテルを貼られ、何にも自信のないパンチネロは、いつしか自分をダメな存在として・・・。

そんなパンチネロに、パンチネロを作った彫刻家エリは、他からどう思われているかが大切なのではなく、自分がどうあるべきかを伝えていく。

そして、あなたを大切に思っている私がいるということを。

 

新6年生、初めて出会う本だったようで、いろんなことを感じさせてくれる何ともいえない絵を通して、途中から食い入るように。

そして、読み終わったら、手をあげて感想も述べてくれた。

 

みんな自分らしくかがやいて。

2014年4月14日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(28)

3月17日(月)

今年度最後の広南小学校読み聞かせ。

担当は5年生。

 

今日読んだのは、

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『せかいでいちばんつよい国』

イギリスのデビッド・マッキー作。

子どもが小さかった頃に『ぞうのエルマー』というカラフルな象の絵本をよく読んだが、この作品もその作者。

 

ある国の大統領が、

「せかいじゅうの 人びとを しあわせにするためだ。われわれが せかいじゅうをせいふくすれば、みんなが われわれと おなじように くらせるのだからな。」

と、戦争をしては世界中を制服していった。

 

残ったのは、気にも留めていなかった小さな国だけ。

一つだけ残しておくのも気持ちが悪いということで、大統領は兵を率いてその国へ。

 

そこには兵隊がいない。武力もない。

そこを訪れた兵隊たちは大歓迎を受け、その小さな国の遊びや料理、歌を好み、仕事も手伝ったり。

大統領は「けしからん!」と、怠けてしまった兵隊を国へ返し、新たに兵隊をその国へ。

 

それでも、同じことの繰り返し。

 

そこで大統領は兵隊を少しだけ残して、自国へと帰っていく。

国へ帰ると、みんなが小さな国のいろんなことを真似ている。

 

こどもに歌を歌ってとせがまれた大統領は、思いついた歌を次々と歌うのだが、それはすべて小さな国の歌だった・・・。

 

『強い日本』・・・、どこかで聞いた言葉。

本当に強い国って何だろうと、問いかける物語。

 

春から6年生。

どんなふうに届いたかな。

2014年3月17日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(27)

3月10日(月)

青空はひろがるのだが、冷える朝。

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

担当は4年生。

 

「『3匹の子ぶた』という話、知ってる?」

と尋ねると、

「食べられる話でしょ?」

と。

「食べられる?」

と、隣の子。

 

そう。

『3匹の子ぶた』は、食べられる話だったそう。

 

一般に知られる『3匹の子ぶた』は、ディズニー短編アニメーション映画にもあるように、藁で作った家をオオカミに吹き飛ばされた子ぶたが、弟の作った木の家に逃げ込む。その木の家も吹き飛ばされ、子ぶたたちは一番下の弟のレンガの家に。

レンガの家を吹き飛ばすことのできなかったオオカミは、煙突から忍び込もうとするが、火にかけてあった鍋に落っこちて火傷をし、逃げ去っていくというお話。

 

でも、元々のグリム童話では、藁の家を吹き飛ばされた子ぶたも、木の家を吹き飛ばされた子ぶたも、オオカミに食べられてしまう。

レンガの家を吹き飛ばすことのできなかったオオカミは、煙突から忍び込もうとするが、用意してあった鍋に落ち、釜茹でされ、一番下の子ぶたに食べられてしまうのだそう。

 

何とも怖~い童話なのだが、今日読んだ本は、

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『3びきのかわいいオオカミ』

『3匹の子ぶた』に登場するブタとオオカミが入れ替わって展開する話。

 

レンガの家、コンクリートの家、鉄骨と鉄条網で作ったセキュリティ万全な家。

やさしいオオカミがどんな家を建てても、凶悪な大ブタに次々と壊されてしまう。

 

使う材料を間違えたと気づくオオカミ。でも、何で作ったらいいのだろう・・・。

それで、今度は花をいっぱい使った家を。

 

風が吹けば吹き飛びそうな家。

でも、それを吹き飛ばそうと思った大ブタは、息を吸い込むたびに花の良い香を。

花の良い香に満たされたブタのこころは変わってしまった。

 

心の変わったブタをオオカミたちは招き入れ、そしてみんななかよく。

 

「犯罪学者」という肩書きをもったギリシャの作家、ユージーン・トリビザスの作品。

ユーモアたっぷりな中に、いろいろなことを感じさせてくれる。

 

柔よく剛を制す。

力に力で臨んでも、所詮対立しか生まれない。

そんなことを思いながら。

2014年3月10日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku