広南小学校読み聞かせ(76)

3月14日(月)

昨夜からの雨が少し残った朝。

今朝は、今年度最後の広南小学校読み聞かせ。

担当は5年生。

 
読んだ本は、

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『おじいさんとヤマガラ』3月11日のあとで (鈴木まもる)  

 

先月読んだ『どうぶつのあかちゃんがうまれた』の作者、鈴木まもるさんの作品。

 
毎年冬になると、山に巣箱を6個かけて、ヤマガラの巣立ちを楽しみにしていたおじいさん。
2011年3月11日の東日本大震災による原発事故のあと、おじいさんは。。。  

ちきゅうのうえに いきているのは にんげんだけではありません。 発電所が こわれたあと、ひとは、ひなんしたり たべるものに きをつけたり できました。 でも、のやまの とりや どうぶつ、うみや かわの さかなたちに しらせることが できませんでした。 おじいさんは それがざんねんで かなしくて しかたがありませんでした。

 
この言葉がとっても印象的。

おじいさんは、生きている間、少しずつでも自分のできることをして、みんなで一緒に元気に暮らしていこうと思っていますと。

 
みんな、おじいさんのやさしいこころに聞き入って。。。

 
今年度最後ということで、最後に児童より。

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とりあえず、1年間無事終わって、また4月から。

2016年3月14日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(75)

3月7日(月)

一昨日より急に暖かくなって、今朝はつぶ山からウグイスの声。

 
今日は広南小学校の読み聞かせ。
担当は3年生。
読んだ本は、

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『ええところ』  (作 くすのきしげのり 絵 ふるしょうようこ)

 
今年度、一番たくさん読んでいるくすのきしげのりさんの作品。
読む前に、「みなさんは、自分のいいところってありますか?」と尋ねたら、「ない。。。」という答えばかり。
そう。今日読んだ本はそんな女の子のお話。

  
あいちゃんは背が低くて走るのも遅くて、100点なんて1回もとったことがない。
「わたしって、ええところ、ひとつもないなあ」と、ともちゃんにいうと。。。
 
この本は、

今から20年ほど前、作者のくすのきさんが小学校の教諭だったころに子どもたちとはじめた「よい子の石」。「よいおこない」ができたとき、用意した自分の友だちのペットボトルに直径1センチくらいの白い小石を一つずつ入れていくのです。いつもよりがんばれたとき、だれかを助けたとき・・・。「よい子の石」をもらったときの、花が開くような子どもたちの笑顔からこの物語は生まれました。

と。

 読み終えて、再び「自分のいいところ、ありますか?」と尋ねたけれど、やっぱり「ない。。。」と。
欠点ばかり見つけるよりも、「ええところ」を見つける方が、きっとこころをあったかくする。
「みんなも、友だちのいいところを見つけて教えてあげてくださいね。」。

2016年3月7日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(74)

2月29日(月)

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は2年生。

教室に入ると、半分くらい席が空いていて、
「今日はこれだけしかいません」と。。。
インフルエンザ。
1年生の欠席が先週多かったと聞いていたが、今度は2年生。

 
そんななか、今日読んだ本は、

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『どうぶつのあかちゃん うまれた』 (鈴木まもる)

 
昨夜、寝る前まで数冊の候補を頭に浮かべながら、どれにしようか迷っていたら、たまたまテレビのチャンネルを変えて目に飛び込んだのが、さだまさしさん。

歌のエピソードを次々と話す中で、歌を17文字で表現したいと、譬えとして紹介したのが、

蝉時雨 子は擔送車に 追ひつけず

これは俳人 石橋秀野の最後の句だそう。

「擔送車」とは、「担送車」、ストレッチャーのこと。
結核を患い、病院のストレッチャーで運ばれていく石橋秀野。
6歳の我が子はそれに追いつけない。 生きるか死ぬかのその状況に、母は我が子に心を寄せて最後の一句。。。

 
その話を聞いて、この本に決定。

 
ネコ、チーター、キリン、ゾウ、サイにカバ、いろんな動物の生まれる姿が描かれる。 ゾウは

あかちゃんだけど、おもさは 80キロもある。

 

「えーっ!」

 
最後に人間のお母さん。

どの あかちゃんも みんな、 おかあさんが うみだしてくれたのは おんなじだ。 いきるために うまれてくるのは おんなじだ。

 このメッセージ、伝わってくれたらいいな。

 
午後から2年生は学年閉鎖。。。

お大事に。

 
2016年2月29日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(73)

2月15日(月)

昨日は荒れ模様だったけど、春のようなあたたかさ。

でも、今朝は寒くて寒くて冷たい風が。。。

 
広南小学校読み聞かせ。 担当は1年生。

1年生の次男は補聴器をつけ、コミューンも使っているけれど、聞き取れないことも。 そんなこともあって、絵本にしても、テレビにしても、気に入ったものは何度も何度も視聴する。
そこで、昨夜2冊の本を読んで、どっちが良いと聞くと、迷わずコレと。

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12月に2年生教室で読んだ、

『ぼくら ちきゅうじん だいひょう!』。(くすのきしげのり作)

そこで読んだ後、家で何度かリクエストされた。
これを選んだ理由を尋ねたら、「だって、おもしろいから」と。

 
待ちに待った遠足。
担任の先生から、
「町の人に会ったら、みなさんはかえで小学校代表のつもりで行動しましょうね」と。
さらに、「もし、ほかの国の人に会ったら、日本代表のつもりで行動できるかな?」、
そしてさらに、「もしかしたら、今日はほかの星から来た宇宙人が見てるかも知れませんよ。そう考えると、みなさん、今日は地球人代表のつもりで行動してください」と。
「ぎょえーっ!」

  読み終わって、「今日の参観日、地球人代表のつもりでがんばってください」といったら、「はいっ!」と返事。

 
すなおでいいね。

2016年2月15日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(72)

2月8日(月)

どんよりとした寒い朝。

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は6年生。

 
今日読んだ本は、

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『Life(ライフ)』  (くすのきしげのり 作 松本春野 絵)  

町の外れに「Life(ライフ)」という小さなお店があります。
でもお店といっても、だれかが働いているわけでも、なにかを売っているわけでもありません。
ある冷たい風が吹いた日、一人のおばあさんが「ライフ」にやってきました・・・・・・。
冬の間も「ライフ」には、たくさんの人が訪れ、そしてすてきな春がやってきました。

 
花の好きだったおじいさんを亡くしたおばあさん。
おじいさんとの楽しかった日々を思い出し、さびしい毎日を過ごしていた。
でも、この「ライフ」のおかげで。。。

 
作者くすのきしげのりさんのあとがき、

「Life(ライフ)は、この町の人たちがよく訪れるリユースシステムのお店です。
私はこの作品で、「Life(ライフ)」を訪れる人たちを通して、それぞれの「人生」の一コマと、この町の人たちのつながりを書こうと思いました。
「人生」ということを考えたとき、それは、「人が生きる」ということだけではなく、それぞれの時間の流れの中で、人と関わりあいながら生きることであり、言いかえれば、「人は、(生かされながら)生きている」ということなのだと思ったからです。
そして、これは書き進める中で考えたことであり、こうして作品が完成して、あらためて思うことなのですが、この作品の中で少し視点を変えてみると、「Life(ライフ)」を訪れる人たちだけでなく、そこに置かれた物たちも、みんなが咲かせた花たちも、「Life(ライフ)」というお店自体も、さらにいえばおじいさんの想い出さえも、それぞれの時間の流れの中で、「(生かされながら)生きている」といえるのではないでしょうか。

 

「(生かされながら)生きている」

読み終わった後、「こんなお店があったら、行ってみたいなと思いました」と感想を。。。

 
春に向けてとっても暖かくなるお話。

今日はこれから専徳寺仏教婦人会の新年会。
ここでも、この本を読み聞かせ。

 
 
2016年2月8日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(71)

2月1日(月)

今日から2月。

今朝は広南小学校読み聞かせ。

担当は5年生。

節分を前に、「鬼」にまつわる絵本を探していて見つけたこの本。

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『小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました。』(原田剛作)

 
先月この本を見つけて購入したけれど、あまりにもインパクトのある絵と内容だったので、正直躊躇していた。
でも、アマゾンでベストセラー1位になってるのを見て、???と思って調べてみたら、どうやら先週の『奇跡体験!アンビリーバボー』という番組で取りあげられたのだそう。
その反響が大きかったみたいなので、この本をどんなふうに子どもたちが受けとめるかなと思って読んでみることに。

 この本は、この絵本を発行したワイヤーオレンジという育児雑誌を扱う会社の社長、原田剛さんの実話がもとになっているそう。

とっても やさしかったお母さんが、とつぜん 鬼のようになりました。 どうしてボクは ひとりでナスビを売らないといけないの???

鬼のようなお母さんの姿の裏にあった親心。
この本を書いたのは、叱ることのできない親が増えてきたからだそう。

虐待とかのニュースをよく聞く。
「怒る」ことは出来ても、「叱る」ことが出来ないということなのかな。。。

ただの鬼にならないように。

2016年2月1日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(70)

1月25日(月)

昨日の大寒波。

全国で大雪の情報が流れていたけど、ここはまったく。

ただただ、寒い日曜日。

 
一夜明け、長浜もうっすらと雪化粧。

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雪に不慣れなところはこれだけでも大変。

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今朝は広南小学校読み聞かせ。 こんなに寒いのに、子どもたちは大はしゃぎ。

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体育館横の花壇の花が凍りつき、地面も凍ってスッテンコロリとなりながらも。。。

 
今日の担当は4年生。 読んだ絵本は、

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フレデリック  ちょっとかわった のねずみの はなし』 (レオ=レオニ)

 
読む前に、この本を知ってる人と尋ねると、1人だけが手をあげる。
(同作者の『スイミー』は知っていたけれど。)

 
この物語は、イソップ物語の『アリとキリギリス』と正反対のお話。
 冬を間近に迎えた5匹の野ねずみ。
4匹は冬ごもりのためにせっせと食べものを運ぶけど、フレデリックだけは働かず、ボーッと過ごしている。

「フレデリック、どうして きみは はたらかないの?」
「さむくて くらい ふゆのひの ために、 ぼくは おひさまのひかりを あつめているんだ。」

また、あるときは、

「いろを あつめているのさ。 ふゆは はいいろだからね。」

そして、またあるときは、

「ぼくは ことばをあつめてるんだ。ふゆは ながいから。はなしのたねも つきて しまうもの。」

  冬を迎え、食べものが尽きてしまったある日、そのことを思い出し、フレデリックに尋ねると。。。

 
目をつむって、おひさまの光を思い浮かべる。
こころのなかで塗り絵をしているように、楽しい色を。

そして、集めたことばで四季の詩を。
 寒いときは、こころをあたたかく。

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それにしても、寒くて何度もかみまくり。。。

2016年1月25日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(69)

1月18日(月)

雨も上がり、今日は久々、今年初めての読み聞かせ。

次男と一緒に白い息を吐きながら学校へ行く途中、「おとうさんは今日何の本を読むの?」と聞かれ、「今日はオニの本」と答えたら、「えー!こわい話?」と。。。

 
そう、オニはこわい。

そんな先入観を持っているところから始まるお話。

 
担当は3年生。 読んだ本は、

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『オニじゃないよ おにぎりだよ』 (シゲタサヤカ作)

 
「おいしいおにぎりを人間に食べさせてやりたい」、そう思って人間のところへ出向くオニ。
でも、その姿を見ただけで、「キャー!」と。。。

 
「オニはそと~、フクはうち~」
「オニのこころ、人しらず」。。。

恵方巻でなく、おにぎり食べるのもいいかも。
美味しいおにぎりを。

2016年1月18日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(68)

12月21日(月)

昨夜からの雨が少し残って、パラパラとする朝。

今朝は、今年最後の広南小学校読み聞かせ。

担当は2年生。

今日読んだのは、

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『ぼくら ちきゅうじん だいひょう!』 (くすのきしげのり作 よしながこうたく絵)

 
待ちに待った遠足の日、先生が「町の人にあったら、『かえで小学校』代表のつもりで行動しましょう」と。
続いて、「ほかの国の人がいたら、日本代表のつもりで。。。」。
「もしかしたら、ほかの星の宇宙人が見ているかも知れませんよ。
そう思ったら、『地球人』代表として行動しましょう!」と。

 
今年の読み聞かせで使った絵本のなかで、次男一番のお気に入りが、『ぼくのジィちゃん』。

その作者、くすのりしげのりさんの元気いっぱいの作品を今年最後に選んだ。

 
みんなも、地球人代表としてね。

 
終わって廊下に出ると、学校の前の海には昨日も見た数隻の帆の付いた船。

その船が昼前になると、どんどん増えてきた。

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でも、昨日の日曜日は、その倍以上だったかな。

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長浜の峠から海を見た時の異様な光景。

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これまで見たこともないくらいの船・船・船。。。

どうも、話によると、タチウオ漁をしてるのだと。

 
ふと、金子みすゞさんの  

朝焼小焼だ 大漁だ
大羽鰮の大漁だ  
浜は祭のようだけど
海のなかでは
何萬の 鰮のとむらい するだろう

  『大漁』の詩を思い浮かべながら。。。  

2015年12月21日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku

広南小学校読み聞かせ(67)

12月14日(月)

今朝は広南小学校読み聞かせ。

風もなく穏やか。まだ太陽の姿が見えず、沖に見える島は浮島現象でぽっかり浮いて。

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担当は5年生。 読んだのは、

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『 あ か り 』 (林木林 文/岡田千晶 絵)  

お母さんが作ってくれたロウソク。 最初に灯されたのが、赤ちゃんの生まれた日。
その子の成長とともに、大切なときに灯されて。。。

 
太陽や月のように、みんなを照らすような光にはなれない。
灯台のように、嵐から船を守ることもできない。

でも、おばあちゃんになったその子から、

おひさまよりも、お月さまよりも、 こころの いちばん おくまで そっと とどくのよ。 ほんとうに ありがとう。

の、ことばを聞いて、

「わたしの ともす 小さな あかりを だいじに おもってくれる ひとがいた。 うまれてきて ほんとうに よかった」

と。   ロウソクのともしびのなかにいるかのような、とっても静かな静かなおとな絵本。

 
「難しかった?」と尋ねると、「難しくはなかったけれど。。。」
感想をまとめるのが難しかったかな。

これは、また成長してから、出会うといいかも。

 
来週が今年最後の読み聞かせ。

2015年12月14日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku