11月23日(水)
久しぶりの雨。
今日のご法事に藤井峯子様より寄贈していただいた軸を本堂のお内陣に掛けさせていただいておつとめ。
百済観音と弥勒菩薩
百済観音は奈良法隆寺、国宝の観音菩薩さま。
すらりと幽玄なお姿をしておられる。
親鸞聖人は、聖徳太子を倭国の教主と敬い、観音菩薩がその聖徳太子に。
救世観音大菩薩
聖徳皇と示現して
多々のごとくすてずして
阿満のごとくにそひたまふ※〈多々〉とは梵語タータの音写で父を意味し、〈阿満〉とは梵語アンバーの音写で母を意味すると。
大慈救世聖徳皇
父のごとくにおはします
大悲救世観世音
母のごとくにおはします
親鸞聖人は、聖徳太子を父のように、観音菩薩を母のようにお慕いに。
弥勒菩薩は、法隆寺の隣にある聖徳太子が母のために建てた尼寺 中宮寺の半跏思惟像。
こちらも飛鳥時代の国宝。
とっても柔和なお顔で美しいお姿。
中宮寺では如意輪観音として伝わっているそうだが、京都太秦の広隆寺の国宝第一号弥勒菩薩ともよく比較され、弥勒菩薩であるとも。
五十六億七千万
弥勒菩薩はとしをへん
まことの信心うるひとは
このたびさとりをひらくべし
弥勒菩薩は、お釈迦さまが亡くなられて五十六億七千万年後、兜率天からこの世に出現される。
弘法大師空海も、兜率天へと往生し、弥勒菩薩がこの世に出現される時、弥勒菩薩に従って下生されるのだそう。
ただ、五十六億七千万年の時間は、あまりにも長くて遠い。。。
でも、お念仏をいただくものはそれを待つ必要もなく、このたびさとりを開くことができる。
何ともありがたい。
当初は聖徳太子の隣に観音菩薩を掛けようかと思ったけれど、作品が予想以上に大きかったので、七高僧の両脇に掛けることに。
今年の春に初めての個展を開かれたそうで、その中の2点を表装し、このたび寄贈していただいた。
せっかくなので、しばらくの間はお内陣に。
ようこそのお参りでした。