6月28日(月)
境内の植木鉢の縁に一本の細い枝がピンと。
??じっと見てると、何と!動き出した。
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尺取り虫。
シャクガと言う蛾の幼虫。
中国の曇鸞大師は『往生論註』に「蚇蠖 ・蚕繭 」の譬えを。
⇒《参考》浄土真宗本願寺派総合研究所
仏本この荘厳清浄功徳を起したまへる所以は、三界を見そなはすに、これ虚偽の相、これ輪転の相、これ無窮の相にして、蚇蠖 〈 屈まり伸ぶる虫なり 〉の循環するがごとく、蚕繭 〈蚕衣なり〉 の自縛するがごとし。あはれなるかな衆生、この三界に締 〈結びて解けず 〉られて、顛倒・不浄なり。(『往生論註』七祖註釈版57頁)
「蚇蠖」と言うのが尺取り虫。
植木鉢の縁をぐるぐるぐるぐると回っている姿がまさに循環するがごとく。
蚕は糸を出して繭を作り、自分を閉じ込めてしまう。
そんな虫の姿を譬えて、私たちの世界は迷いの境界だとお示しくださった。
また、曇鸞大師は他にも有名な譬えで、
「蟪蛄は春秋を識らず」といふがごとし。この虫あに朱陽の節を知らんや。知るものこれをいふのみ。(『往生論註』七祖註釈版98頁)
と。
『荘子』の「朝菌は晦朔を知らず。蟪蛄は春秋を知らず」を引用した譬え。
「蟪蛄」とはセミのこと。「朱陽」とは夏のこと。
虫、鳥、花、取り巻く世界すべてがお念仏のご縁に。