広南小学校読み聞かせ(27)

3月10日(月)

青空はひろがるのだが、冷える朝。

今朝は広南小学校の読み聞かせ。

担当は4年生。

 

「『3匹の子ぶた』という話、知ってる?」

と尋ねると、

「食べられる話でしょ?」

と。

「食べられる?」

と、隣の子。

 

そう。

『3匹の子ぶた』は、食べられる話だったそう。

 

一般に知られる『3匹の子ぶた』は、ディズニー短編アニメーション映画にもあるように、藁で作った家をオオカミに吹き飛ばされた子ぶたが、弟の作った木の家に逃げ込む。その木の家も吹き飛ばされ、子ぶたたちは一番下の弟のレンガの家に。

レンガの家を吹き飛ばすことのできなかったオオカミは、煙突から忍び込もうとするが、火にかけてあった鍋に落っこちて火傷をし、逃げ去っていくというお話。

 

でも、元々のグリム童話では、藁の家を吹き飛ばされた子ぶたも、木の家を吹き飛ばされた子ぶたも、オオカミに食べられてしまう。

レンガの家を吹き飛ばすことのできなかったオオカミは、煙突から忍び込もうとするが、用意してあった鍋に落ち、釜茹でされ、一番下の子ぶたに食べられてしまうのだそう。

 

何とも怖~い童話なのだが、今日読んだ本は、

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『3びきのかわいいオオカミ』

『3匹の子ぶた』に登場するブタとオオカミが入れ替わって展開する話。

 

レンガの家、コンクリートの家、鉄骨と鉄条網で作ったセキュリティ万全な家。

やさしいオオカミがどんな家を建てても、凶悪な大ブタに次々と壊されてしまう。

 

使う材料を間違えたと気づくオオカミ。でも、何で作ったらいいのだろう・・・。

それで、今度は花をいっぱい使った家を。

 

風が吹けば吹き飛びそうな家。

でも、それを吹き飛ばそうと思った大ブタは、息を吸い込むたびに花の良い香を。

花の良い香に満たされたブタのこころは変わってしまった。

 

心の変わったブタをオオカミたちは招き入れ、そしてみんななかよく。

 

「犯罪学者」という肩書きをもったギリシャの作家、ユージーン・トリビザスの作品。

ユーモアたっぷりな中に、いろいろなことを感じさせてくれる。

 

柔よく剛を制す。

力に力で臨んでも、所詮対立しか生まれない。

そんなことを思いながら。

2014年3月10日 | カテゴリー : 絵本 | 投稿者 : sentoku