3月10日(月)
青空はひろがるのだが、冷える朝。
今朝は広南小学校の読み聞かせ。
担当は4年生。
「『3匹の子ぶた』という話、知ってる?」
と尋ねると、
「食べられる話でしょ?」
と。
「食べられる?」
と、隣の子。
そう。
『3匹の子ぶた』は、食べられる話だったそう。
一般に知られる『3匹の子ぶた』は、ディズニー短編アニメーション映画にもあるように、藁で作った家をオオカミに吹き飛ばされた子ぶたが、弟の作った木の家に逃げ込む。その木の家も吹き飛ばされ、子ぶたたちは一番下の弟のレンガの家に。
レンガの家を吹き飛ばすことのできなかったオオカミは、煙突から忍び込もうとするが、火にかけてあった鍋に落っこちて火傷をし、逃げ去っていくというお話。
でも、元々のグリム童話では、藁の家を吹き飛ばされた子ぶたも、木の家を吹き飛ばされた子ぶたも、オオカミに食べられてしまう。
レンガの家を吹き飛ばすことのできなかったオオカミは、煙突から忍び込もうとするが、用意してあった鍋に落ち、釜茹でされ、一番下の子ぶたに食べられてしまうのだそう。
何とも怖~い童話なのだが、今日読んだ本は、

『3びきのかわいいオオカミ』
『3匹の子ぶた』に登場するブタとオオカミが入れ替わって展開する話。
レンガの家、コンクリートの家、鉄骨と鉄条網で作ったセキュリティ万全な家。
やさしいオオカミがどんな家を建てても、凶悪な大ブタに次々と壊されてしまう。
使う材料を間違えたと気づくオオカミ。でも、何で作ったらいいのだろう・・・。
それで、今度は花をいっぱい使った家を。
風が吹けば吹き飛びそうな家。
でも、それを吹き飛ばそうと思った大ブタは、息を吸い込むたびに花の良い香を。
花の良い香に満たされたブタのこころは変わってしまった。
心の変わったブタをオオカミたちは招き入れ、そしてみんななかよく。
「犯罪学者」という肩書きをもったギリシャの作家、ユージーン・トリビザスの作品。
ユーモアたっぷりな中に、いろいろなことを感じさせてくれる。
柔よく剛を制す。
力に力で臨んでも、所詮対立しか生まれない。
そんなことを思いながら。