12月13日(金)
寺同士がお互いの法要にお参りさせていただくのを「つとめあい」と呼ぶのだが、今日は午後からそのつとめあいの御寺院 善通寺報恩講の御満座の席に。
毎年この日に合わせて、午前中は善通寺に近い塩焼・町田、そして郷原等、点在しているご門徒のお宅へ報恩講参り。
そして午後からの法要では、導師を勤めさせていただく。
明け方は雨、午前中は風がきつく寒かったが、昼からは日差しもあり、少し穏やかに。
無事法要も終わり、帰りに本堂前にある手水鉢の説明に目がとまった。
有形文化財 善通寺の手水鉢
この手水鉢は,広町善通寺境内に伝えられたもので,花こう岩でつくられ,縁に多くの盃状穴(はいじょうけつ)が刻まれています。
また,側面には「元禄弐年(1689)四月十七日 中嶋や 釋 斿意」(釋 斿意は,広長浜の中嶋屋次郎兵衛とされる)の文字が見られます。
盃状穴は,旧石器時代のヨーロッパに発現し,新石器時代以降は広くユーラシア大陸各地にも見いだされています。日本においても,弥生時代(約2千年前)の北九州の支石墓の蓋石や,後年の石棺の蓋石にも造石されているものが発見されており,中国地方においても発見されています。盃状穴は,豊作や安産祈願など庶民の呪術的信仰の現れとみられますが,「釋 斿意」の法名が彫られていることから,「供養」のためと考えるのが自然であり,民俗学的に意義があるものといえます。
広長浜の中嶋屋次郎兵衛?
長浜には屋号を使うお宅が何件かあるが、「中嶋屋」とは・・・?
“盃状穴”とは、世界中で見られるそうで、再生・不滅のシンボルとして信仰されたり、日本では子孫繁栄・死者の蘇生を願って作られたのだとか。
それで、「豊作や安産祈願など庶民の呪術的信仰の現れ・・・」との一文が添えられているのか。
世のなかには知らないことがまだまだいっぱい。
しかも、こんな近くに。
今日は、ちょっとした発見。
興味のないものにとっては、ただの石かも知れないけれど。