9月9日(月)
今朝、2学期最初の読み聞かせ。
今回の担当は1年生。
一番前にずらりと椅子を並べて座り・・・。
今日、読んだのは『チリンのすず』。
と尋ねると、ほとんど初めての様子。
「この絵本を書いたのは、やなせ・たかしさん。誰だか知ってる?」
「何か、聞いたことがある・・・。」
「アンパンマンの作者です!」
母をオオカミ「ウォー」に殺された子羊「チリン」。
オオカミよりも強くなりたいと、「ウォー」に弟子入り。
3年の歳月が過ぎ、ウォーとチリンは羊を襲おうと企てる。
ところがチリンはウォーをだまし、母の仇討ちを遂げる。
でも、
「ぼくは おかあさんの かたきを とった。しかし ぼくの むねは ちっとも はれない。
ゆるしてくれ ウォー。おまえが しんで はじめて わかった。おまえは ぼくの せんせいで おとうさんだった。
ぼくは いつのまにか おまえをすきになって いたのだ。
もう ぼくは ひつじには かえることが できない。」
何とも考えさせられる結末。
「やられたらやり返す。倍返しだ!」という大好評のTVドラマ『半沢直樹』。
見ていてスカーッとするところもあるのだが、果たして・・・。
憎悪は憎悪によって止むことはなく、慈愛によって止む。
第2次世界大戦後、敗戦国日本の処遇を決める議論のなか、セイロン(現スリランカ)のジャヤワルナダ氏が、釈尊のこの言葉を引用して賠償請求を放棄することを演説し、各国の賛同を得たため、今日の日本があるのだそう。
1年生には、この『チリンのすず』、どんなふうに感じたかな?