9月8日(日)
今夜は年に一度の仏教壮年会・仏教婦人会の共催行事。
例年、御講師をお招きしての法話と、ビデオ鑑賞をしているのだが、30~40分のビデオにだんだんと限界を感じる。
ただ、ビデオを長いものにすると、今度は法話の時間を短くしなければならず、限られた時間のなかでそれも難しい・・・。
ということで、この度はおつとめの後、ビデオを中心にして、その前後に少しだけ話をすることに。
今日紹介したのは、今年1月に101歳でお亡くなりになった詩人、柴田トヨさん。
これは2010年の大晦日にNHKで放送されたもの。
その年は宮崎県の家畜に口蹄疫が発症したからと、たくさんの家畜が殺処分され、たくさんの農家の方が苦しんた。
そんななか、柴田トヨさんの詩に救われたのだと。
人生いつだってこれから。朝はかならずやってくる。
昨日、お母さんと娘さん2人が法事でお参りに来られ、少しそれに似た法話をした。
そのあと、娘さんから「いつもつらいことばかりなんですけど、どうしたら良いです?」と質問された。
「つらいことばかり?」と聞き返すと、「つらいことばっかりでもないですけど、どちらかというと・・・」と。
今年の8月、猛暑が連日続くと、「いつまで続くんだろう・・・」と愚痴をこぼしていた。
でも、夏の次には秋が来る。
当たり前のことかも知れないが、暑いあいだはそんなことが考えられない。
それと同じように、つらい時にはなかなか考えられないですよねぇと話をする。
でも、つらい時に「つらい」と言葉にできるっていいことだなと感じた。
今日の柴田トヨさんの詩を聞いていても、そんなことをふと思った。
「自分に」
ぽたぽたと 蛇口から落ちる涙は 止まらない
どんなに辛く 悲しいことがあっても
いつまでも くよくよしていてはだめ
思いきり 蛇口をひねって 一気に涙を ながしてしまうの
さあ 新しいカップでコーヒーをのみましょう
11月には柴田トヨさんの半生を綴った映画『くじけないで』も公開されるそう。