8月19日(月)
長い長い一日が終わった。
それを見ながら、父もお浄土へ往かれたのだな・・・。
暑い最中、昨夜の通夜、今日の葬儀と、たくさんの方にお参りをいただいた。
昨夜の通夜までは、バタバタと葬儀の準備に法務。
動いている間は、それほどしんみりとすることもなく時間を過ごしたが、通夜の開式前になってアナウンスを聞いていると、いろんなことを思い出し・・・。
遺族・親族代表挨拶では、涙しながらの挨拶となってしまったが、これは父の姿に教わった。
通夜の挨拶のなかでした父の最後の誕生日の話。
先月7月3日の父の誕生日。
恐らく一緒に過ごせる最後の誕生日だと思っていたが、その日は母が昼間留守にしていたので、私が代わりに昼食を運んだ。
「わしゃ、もうだめじゃ・・・」と一言つぶやいて、しんどそうに横になったままだった。
それでも、2人の孫が幼稚園と小学校から帰ってきて、「お誕生日会をしよう!」というと、ほとんど寝たきりで車椅子にも乗らなかった父が、車椅子に乗って居間へと。
孫たちの元気いっぱいの「はっぴばすでー とぅーゆー・・・」の歌を聞き、ロウソクを孫たちが吹き消して、「おめでとう!」といった途端、父が嗚咽するように声を上げて泣きだした。
そんな姿を初めて見て、少し驚いたが、そのあとは笑顔で孫たちと一緒に記念写真。
このときの写真が最後の写真となった。
言葉はなかったが、その泣く姿に父のメッセージが伝わった。
これがおじいちゃんから孫たちへの最後の大切なプレゼント。
言葉だけでなく、泣く姿、笑う姿でもこころが伝わる。
私の泣き声で話す姿が、我が子たちにどう映ったかな。
最近は『涙活』なんて言葉も聞く。
涙を流せない、流すことが出来ないから、わざわざ泣くためのイベントに参加するのだそう。
ここ数日、たくさんの方々にお手伝いをいただき、たくさんの方々に父との思い出話を聞かせていただいた。
そんなこともあり、今日はみなさんに甘え、泣かせていただいた。
次男には、まだ「死」というのが理解できていないようで、無邪気に棺を覗いたりもしていたが、棺に花を入れる時には一番そばで入れていた。
火葬が終わり、白骨となった父の姿を見て、「おじいちゃんがこわれてる・・・」と寂しそう。
ここ数日で、いろんなご縁をいただいた。
還骨が終わり、人がだんだんいなくなり、静かになったところで、今夜は導師としてお通夜に。
みんなそれぞれ、別れのご縁をいただいている。
帰宅すると、月明かりに虫の声。
お盆ももう終わったのだな。
本当にこのたびはみなさまにお世話になり、ありがとうございました。