松の内

1月4日(水)

正月3ヶ日も終わり、今日から仕事始めの方も多いようだ。

寺はどうかというと、昨日3日には法事が3件。
そして、夕方には正月の荘厳の片付け。

 

江戸時代に書かれた『考信録』(玄智)によると、

本山には正月十五日まで法談及御消息拝読これなし。末寺もこれに準じて或は七日、或は三日までを限りとす。その権輿を詳にせざれども、所詮は歳首は祝慶を本とする節ゆへに世儀に随ひて生死無常の教導をば且く閣かるゝならん。歳初三日は僧の門を出ざると同じ。(京には正月上日の朝、白骨の章をよむ輩もまゝこれあり。俗を醒し弊を矯るの謂なり。)

と、昔は1月15日まで、本願寺では法談・御消息の拝読はされず、それにならって末寺でも3日もしくは7日までしなかったと伝える。

そのわけは、世間の正月の慶び事にしたがって、生死無常の教えをしばらく差しひかえたからだと。

なぜ、15日までか。
それは、「松の内」といって、正月の松飾りを小正月の15日まで飾っていた期間であったため。

 

今はその頃と事情も違う。
世間の有り様も変わってきたため、お寺も同様に変わっていく。

1月1日から開いてる店もあり、一昔前の正月と随分変わってきた。 

門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし

トンチの一休さんで知られる一休宗純のことば。

ただ、正月が単なる通過点ではなく、今生かされているいのちを感じるご縁でありたい。