報恩講法要 3日目

10月15日(土)

朝には雨も上がり、少々暑い一日。
ツクツクボウシの声も聞こえてきた。

朝早くから、お斎の準備。

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大きな塩むすび3個と煮染めのパックが810セット。

これが専徳寺に伝わる報恩講のお斎の姿である。

 

お昼の席で御満座。

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善通寺住職を導師に、近隣の住蓮寺住職・浄円寺住職・広真光寺住職に出勤いただいて、正信念仏偈第二種の勤行。

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たくさんの方にお手伝いいただいて、そして最後はみんなで聴聞。

ようこそのお参りでした。

 

法座が終わり、後片付け。

後片付けをしているとき、ふと発見した。

専徳寺の余間に10月の報恩講と1月の御正忌の時だけかかる四幅の御絵伝。

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この御絵伝の裏には、「釋本如(花押)」、「文化八辛未年三月」と記されている。

文化8年とは、西暦1811年。
3月18日から28日まで、本願寺で宗祖550回御遠忌法要が厳修されたそうだ。

それからちょうど200年。
750回御遠忌を迎えた年の報恩講御満座の日、そのことを知る。

これも大きなご縁である。

2011年10月15日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

報恩講法要 2日目

10月14日(金)

今日は朝から雨。
朝席と昼席はそれほど強い雨ではなかったが、夜席には強い雨。

足下の悪いなか、ようこそのお参りでした。

明日のお斎の準備も朝から始まった。

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夜席は、お逮夜ということで、2席。
前席が終わると、重誓偈の勤行後、住職が『御伝鈔』を拝読。

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そして、後席。
いつもの法座よりも遅くまで聴聞。

お逮夜といえば、金子みすゞさんの『報恩講』が浮かんでくる。

報恩講

「お番」の晩は雪のころ、
雪はなくても闇のころ。

くらい夜みちをお寺へつけば、
とても大きな蝋燭と、

とても大きなお火鉢で、
明るい、明るい、あたたかい。

大人はしっとりお話で、
子どもは騒いじゃ叱られる。

だけど、明るくにぎやかで、
友だちゃみんなよっていて、
なにかしないじゃいられない。

更けてお家へかえっても、
なにかうれしい、ねられない。

「お番」の晩は夜なかでも、
からころ足駄の音がする。

御正忌報恩講のお逮夜には、おぜんざいが振る舞われる。

小さい頃、日曜学校でお逮夜に参り、みんなでおぜんざいを食べたのを記憶する。

今となっては昔の話。

大晦日の除夜会の『安穏のともしび』。
こんな風に子どもが思う行事になればと思う。

明日で御満座。

続いてお参りを。

2011年10月14日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

報恩講法要 1日目

10月13日(木)

今夜から報恩講法要。

例年10月14日から16日までつとめているが、今年は16日が日曜日と重なったことなど、諸事情により1日繰り上げてはじまる。

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五具足の荘厳で報恩講を迎える。

御講師は府中市 善行寺の堤 有年 師。

 

天気予報ではこれから下り坂。

明日は長浜小学校も遠足で宮島に行くことに。

雨が降っても、どちらも無事に終わりますように。

 

以前、『家庭画報』5月号に本願寺の特集があり、ブログでも紹介

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その家庭画報特選『西本願寺 荘厳の美』が発売された。

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そして、講談社からは『西本願寺御影堂 「平成の大修復」全記録』が。

750回大遠忌を迎えて、いろいろな書籍が出ている。

 

10月10日号の『本願寺新報』に、24年前に三國連太郎原作・監督・脚本の映画『親鸞 白い道』の記事が載っていた。
その映画で親鸞聖人を演じた森山潤久氏。
今は役者を引退して得度し、真宗僧侶として札幌の寺院で法務をされていると。

この『親鸞 白い道』もDVDで松竹から販売され、明日手元に届く予定。

 

大遠忌。

いろんなことが動く年。

このご縁を大切に。 

2011年10月13日 | カテゴリー : 法座 | 投稿者 : sentoku

呉東組聞名講 10月例会

10月11日(火)

今日と明日、小坪臨海地区の報恩講。

午後から、当山専徳寺にて呉東組聞名講の例会。

10月例会は報恩講法要も行われるため、呉東組法中、そろいの色衣・五条袈裟をつけて厳修。

直前になって、登礼盤作法をすることに。
おつとめは『正信念仏偈 第二種』。

その後、百周年の時の御消息を拝読し、称名寺若院さんの法話。

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御示談では、「凡夫」・「十方衆生」について質問が出た。

「凡夫」とは、凡庸なる士夫。
〔四諦の道理を知らない人をいう〕。

聖徳太子の十七条憲法のなか、

十にいはく、忿を絶ち瞋を棄てて、人の違ふを怒らざれ。人みな心あり、心おのおの執ることあり。かれ是んずればすなはちわれは非んず、われ是みすればすなはちかれは非んず、われかならず聖なるにあらず、かれかならず愚かなるにあらず、ともにこれ凡夫ならくのみ。是く非しきの理、たれかよく定むべき。あひともに賢く愚かなること、鐶の端なきがごとし。ここをもつてかれの人瞋るといへども、還りてわが失ちを恐れよ。われ独り得たりといへども、衆に従ひて同じく挙へ。

と、『註釈版聖典』(本願寺出版)には、「凡夫」に「ただひと」と仮名が振ってある。

お互いにただの人。
そのただの人である私が法に出遇うそのとき、愚の正体に気づかされるのだろう。

ハングリーであれ。愚かであれ。

故S・ジョブス氏のことば。

十方衆生では、仏性の話が出た。

「一切衆生悉有仏性」「草木国土悉皆成仏」と経典には説かれている。

また、『大阿弥陀経」(『大経』の異訳)には、

諸有の人民・蜎飛蠕動(けんぴねんどう)の類、阿弥陀仏の光明を見ざることなきなり。

小さな虫までも願いがかかっていると説く。

ただ、縁がととのわなければ種から花を咲かせることはない。

今、私たちは縁がととのって法に出遇えたことを大切にしたいものである。

2011年10月11日 | カテゴリー : 呉東組 | 投稿者 : sentoku

仏教壮年会 10月例会

10月8日(土)

今夜は仏教壮年会の例会。

7月は弘願寺仏教壮年会との交流会、8月は納涼会、9月は婦人会との共催で「講演とビデオの夕べ」があり、久しぶりの例会。

10月は報恩講。

一昨日おみがきをしていただいて初めてのご縁。
会で用意していただいたお供えを、例会後にお下がりとしていただく。

 

今日は「本物」というテーマで話をした。

どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ

一躍有名になった相田みつをさんの詩。
タイトルは「みんなほんもの」。

相田みつをさんの生涯を紹介し、『おかげさん』に見られる親鸞聖人のことをいろいろとお話させていただいた。

相田みつをさんは、禅を学びながら、親鸞聖人の人間観にも惹かれるところがあったのだろう。
本の中で2箇所出てくる。

いざとなると 人間は弱いからねえ

にせもの

 「お父さんはな、若い頃、剣道をやったから、泥棒の一人や二人、短刀を持って入ってきたって平気だぞ。」
 酒をのむと、私は女房子供相手に、よく威勢のいいことを言っておりました。
 ところが、ある冬の夜中に、本当の泥棒が短刀を持って入ってきたんです。そしたら一番ガタついたのが私でした。
 剣道も禅も、みんなふっ飛んじゃいました。なんともだらしのないことですが、ホントの話です。

 『勇ましくカッコいいことをいう者はにせものだ。』

その昔、親鸞聖人は教えています。 (『おかげさん』108-109頁)

 

これでいいとは思いませんが これしかできない わたしには

卑屈と傲慢

親鸞聖人は、有名な『歎異抄』の中で、自分を含めて人間のことを、
煩悩具足の凡夫
―迷いと欲望の固まりの凡人―
といっております。これは親鸞の、きびしい自己否定だと思います。ダメ人間の代表、それが自分だ、というわけです。
 一方、ここ一番、という大事な時には、
「親鸞におきては・・・、」
と、責任の所在を明確にして、きっぱりといい切り、テコでも動かぬ自信の強さを示しております。こちらは、親鸞の、絶対の自己肯定ですね。
 きびしい自己否定がなければ、人間はすぐに傲慢になります。一方、絶対の自己肯定がなければ卑屈になります。
 卑屈にも傲慢にもならないためには、自己否定、自己肯定、共に必要ですね。    (『おかげさん』66-67頁)

 

先日亡くなったアメリカのiPhoneの生みの親、S・ジョブズ氏。

この方も、禅の教えを学んでいたそうだ。

何と、ピクサーのアニメもこの人が生みの親。

それを知って、PIXARの「I」が電気スタンドで表されているのが頭に浮かんだ。
この人は「i」に何か大きな意味を持っているのだろうかと。

 

お葬式が続いているが、そこからいろんなことに気づかせていただくことも多い。
そのご縁を大切に。

2011年10月8日 | カテゴリー : 行事 | 投稿者 : sentoku

おみがき

10月6日(木)

今日の天気は雨の予報だったが、朝から青空のひろがる天気に。

朝から寺の報恩講法要を控えて、仏具のおみがき

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御同行にお手伝いしていただいて、

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一年のほこりや蝋燭のススなどでくすんだ仏具を大掃除。

本堂にある金色の蝋燭立や華瓶、香炉などは真鍮製。

真鍮製の仏具は、真鍮専用の研磨剤などを使ってピカピカに磨く。

黒っぽい仏具は宣徳(せんとく)

宣徳とは、真鍮の上に漆を塗って焼き付けたもの。

この宣徳の仏具は、柔らかい布で軽く拭く。

それぞれに違った方法でピカピカにしていく。

 

こうして掃除をしていると、『阿弥陀経』に出てくる周利槃陀伽(しゅりはんだが)のことがふと頭に浮かぶ。

周利槃陀伽は、生まれつき物覚えも悪く、自分の名前さえ覚えられない。

その彼にお釈迦さまは一本の箒を与え、「塵を払い、垢を除く」のことばを繰り返し唱えさせながら掃除をさせた。

一心に「塵を払い、垢を除く」と掃除をするうちに、汚れが落ちにくいのは人間の心も一緒だとさとり、ついには阿羅漢果を得たとされる。
あの赤塚不二夫氏の『天才バカボン』のレレレのおじさんのモデルともいわれる人物だ。

 

一年間でたまった自分の心の垢も除くことが出来ればいいのだろうが、この垢はなかなか・・・。

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それでも、こうして仏具はみなさんのおかげできれいになり、お内陣が明るくなった。

お手伝い、ありがとうございました。

 

おみがきをしているときに、耳にしたのがサルの話。

長浜に、今朝サルが出没したそう。

山のなかでの出来事かと思ったら、何と!寺のすぐ前を通って入江神社の方へと向かったとか。

小学校は、安全のため、先生が同伴で下校。

しばらく、このサル騒動が続くのだろうか。

 

来週の報恩講法要。

サルがお斎の材料に手を出さなければいいが。

もし、手を出すなら、ちゃんとお参りしてからどうぞ。

2011年10月6日 | カテゴリー : 行事 | 投稿者 : sentoku

白岳の秋

10月4日(火)

今日も引き続き白岳地区の報恩講。

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キンモクセイの香

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黄金の稲穂

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そして、コスモス。

毎年10月初旬にこの白岳地区をまわるが、ここには秋を感じさせるものがいっぱい。

 

以前は、報恩講でお参りに行くと、恐らく自ら摘んできたであろうコスモスを、仏華としてお供えしてあるお宅が結構見られた。

だんだんそれも見なくなり・・・。

高齢化が進み、なかなか外へ出ることも難しい方が増えてきた。

お店で買った花を供えるのもいいが、自分で集めた季節の花をお供えしてあると、少し気持ちが和んだものだ。

 

白岳地区の報恩講は明日まで。

2011年10月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : sentoku

モズの高鳴き

10月3日(月)

今日から3日間、白岳地区の報恩講。

今朝、窓の外で、今秋初めてモズの高鳴きを聞いた。

この声を聞くと、

ちいさい秋 みつけた

 

モズといえば、あんまりいい話が残っていない。

5月に当ブログで紹介した「忍音」

そこにホトトギスとモズの話が出てくるように。

 

そして、モズといえば、早贄(はやにえ)

捕獲した虫などをとがった枝の先に突き刺すことで知られる。

お釈迦さまがたとえ話でこのモズの話をされているそう。

モズは、冬に備えて虫やカエル・トカゲなどを捕まえては枝の先に突き刺している。
そのモズは、突き刺したエサの場所を忘れないようにと、空にある羊雲を目印にしようとした。
でも、その目印であるはずの羊雲は、どんどん動いている。
それで、モズは早贄にしたエサを食べれずに過ごしているのだと。

これは、何をよりどころとして生きるかのたとえ。 

 

モズは、漢字で「百舌」とか「百舌鳥」と書く。

これは、二枚舌ならぬ、百枚も舌があるというわけではない。
いろんな鳴き声をマネすることができるからだそう。

一度だけ、まるで小鳥のさえずりのような声を出しているのを聞いたことがある。

『阿弥陀経』のなかに、

白鵠・孔雀・鸚鵡・舎利・迦陵頻伽・共命之鳥

と、浄土にいる六種の鳥の名前が出てくる。

そのなか、「舎利」。

この「舎利」を中国の経典の注釈書には、「鶖」とか「鶖鷺(しゅうろ)」、また「鸜(ははつちょう)」、「鴝鵒(はっかちょう)」などと書いてある。

「鶖」とか「鶖鷺(しゅうろ)」とは、水鳥のことであるので、少し意味が違うように思うが、「鸜」とは九官鳥、「鴝鵒」はハッカチョウといって、どちらも黒くて人間のことばを真似ることができる鳥のこと。

ただ、その後にこれらの鳥は「百舌鳥」のことであると書かれてある。

九官鳥とモズは姿も声もまったく違う鳥ではあるが・・・。

 

これは、当時の中国で、恐らく九官鳥やハッカチョウという鳥を見たことのないものにとって、ことばで何と説明しようと、その姿は分からない。

そこで、モノマネをする鳥といえば「モズ」のような鳥。ということだったのだろう。

 

まったく違った鳥ではあるが、中国では浄土の鳥「舎利」はモズのこととして訳された。

なかなか他の鳥と違って、浄土の鳥?という感じではあるが、そんな鳥がそのままの姿でいるのも浄土かな。

呉東組法中会

10月2日(日)

今夜は川尻の光明寺にて法中会。

今日の主な議題は『御縁の会』。

準備委員会のスタッフに任命され、話を進めてきた企画が、正式に今日の法中会で承認されて、いよいよ来月第1回目を開催することに。

『御縁の会』とは、呉東組各寺院の御門徒さんを対象とした婚活パーティーを開いて、新しいご縁を結んで頂こうと企画。

そのパンフレット作成を任され、ポストカードサイズに製作。

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初めての試み。

どんな風に展開するか分からないが、これが良い縁となり、組にとっても、寺にとっても良いご縁となればと思う。

2011年10月2日 | カテゴリー : 呉東組 | 投稿者 : sentoku

今日から10月

10月1日(土)

今日から10月。空がすっかり秋空に。

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夕方になると、かなり涼しくなってきた。

これから数日で朝晩かなり寒くなるそう。
くれぐれも体調には気をつけて。

この10月は、行事が目白押し。

6日は報恩講を控えて仏具をきれいにするおみがき

11日は呉東組聞名講の報恩講が当山専徳寺で。

13日から15日まで、報恩講法要

25日が呉東組親鸞聖人鑽仰会の仏教講演会が当山専徳寺で。

そして、11月20日(日)には、笑福亭仁智さんを招いて初めての落語会も。

次々とこの秋は多くのご縁が。

お誘い合わせて、お参りを。

2011年10月1日 | カテゴリー : 行事 | 投稿者 : sentoku