石泉文庫虫干し法座 2日目

7月14日(木)

青空の下、石泉文庫虫干し法座2日目。

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本堂に張られたロープの下でのお聴聞。
この朝席が終わった後、石泉文庫から専徳寺の本堂まで蔵書を運ぶ。
今年も長浜小学校6年生が地域学習として手伝ってくれた。

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運ばれた本は、ロープに干されていく。
本堂いっぱいに干された本はいつもながら圧巻だ。

干す作業が一段落付いたところで、手伝ってくれた小学生にPowerPointで用意した資料を見せながら、石泉文庫の話をする。
手伝ってくださった方も一緒に。

干されている本で、一番多いのは黄檗一切経。
この「経」について話をした。

「経」とは、古代インドのことばで「スートラ」。
それを音写したのが「修多羅」。
そして、漢訳したのが「経」である。

「経」とは、たていと。
地球儀の縦と横の線。横の線が緯度、縦の線が経度を表すように。
どうして、その「たていと」か?

お釈迦さまが亡くなられ、その後、お釈迦さまの話をずっと側で聞いていた弟子たちが集まって文字に現した。

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当時、紙のなかったインドでは「貝多羅葉(貝葉)」と呼ばれる椰子の葉に記した。
そして、それに穴を開け、そこに糸を通してきれいに束ねた。
それが「たていと」と呼ばれる由来だそう。

数枚のスリランカの貝葉経を見せながらこの話をした。

「修多羅」。
実はこのことば、日常の会話にも使われている。

「ふしだら」「だらしない」

このことばは、きちんとしていないという意味で、「不修多羅」が訛って生まれた言葉といわれている。

お経はお弟子さんたちがきちんと整理し、糸で束ねてまとめた。
それに対しての「不修多羅(ふしだら)」。
私たちが使っていることばにはそんなことばがいくつもある。

そして、「虫干し」の話。

本を食べて穴を開ける虫は「シミ」と呼ばれる虫。

逃るなり 紙魚(しみ)の中にも 親よ子よ (一茶)

浄土真宗の教えに生きた小林一茶の俳句である。
「紙魚」と書いて「シミ」。
英語では、Silverfish。「銀の魚」と呼ばれる。

虫干しをして、このシミから本を守るわけだが、そのシミにも命があり、親子の関係がある。それを表現した一茶のことば。

小学6年生の児童も、和紙の軽さを体験し、たくさんの本の下でいろんなことを感じたと思う。

200年近く守られてきた地域の宝。
それを今日は守る力となった。

午後3時から干された本を片付けて、またもう一日残りの半分を干す。

暑いなか、ご苦労さまです。