5月15日(日)
午後から小坪の薬師堂に。
毎年5月の日曜日、小坪自治会主催の法要にお参りしている。
薬師堂とは、螺山(つぶやま)のテレビ塔へ向かう車道脇に小さな祠があり、薬師堂の名が示すとおり、薬師如来の絵像が掛かっている。
この堂内にある縁起によると、江戸時代末期、上小坪に尾森惣右衛門という刀鍛冶がいて、その使用人おふさの夢に薬師如来が現れ、「我を小坪の地に迎え入れて篤く帰依すべし」とお告げがあったのだと。
そこで、広石内に祀られていた薬師如来を惣右衛門が迎え入れ、お堂を造って祀ったのが薬師堂の始まりだそう。
それ以来代々尾森家が守ってきたが、次第に風雨にさらされてお堂は朽ち、ご本尊は戦後心ない外国人に持ち去られた。それが昭和55年再建。
尾森家が小坪を離れるにあたり、平成10年より小坪自治会がこの薬師堂を管理している。
その薬師堂で、年に一度薬師如来の絵像前に置かれた阿弥陀如来像の前で、正信偈をおつとめし、御法話をさせていただく。
私は前後に予定が入っているのでバイクか車で登っていくが、小坪の方々は皆さん山を歩いて登ってお参りされる。
正信偈をおつとめしていると、ウグイスが響き渡る声で、「法を聞けよ。法を聞けよ。聞けよ聞けよ聞けよ・・・」とさえずる。
年に一度、そこまで登るのが健康のバロメーターともなっているようだ。
これも一つのご縁である。